天井、ゆらゆらしてる。
身体が思うように動かない。
熱い・・・。

「誰か、たすけ・・・」

瞼が重くて、熱い。




“thousand nights”




目を開けたら、空には明るい太陽。
雲は薄くてすぐにでも消えてしまいそう。
立ち上がって周りを見回す。
見えるのは砂だけ。

は?砂??

「・・・砂漠、デスか?」

問いかけても勿論だが答えは返ってこない。
此処は誰も居ない砂漠だから。



焼け付くような日差しに背中を押されて
金色の風が舞う、道を歩む。

本当に何もなくて、風の導くままに進む。
何もない。
そんな不安を風に流すように手を伸ばす。
本当に全てが砂と共に流れていく気がした。

そして、また、進んでいく。


ただ、何かに会いたい。

“この先に何が居るんだい?誰?”

そう心に問いかけると、何かが僕の熱を上げた。
ドキドキして、不思議な感じ。
この風邪の微熱は、もしかすると恋の微熱?
なんて考えてみて自分で恥ずかしくなる。

恋の微熱を誘うような胸騒ぎ。
すべてが一夜の夢に導かれる。


最後の夢、追いかけて。



ただただ思うままに歩き続けていると、空は
暗くなっていた。
夢中になると時間が経つのって早いんだなぁ〜。

ふと、胸のポケットを探ってみると一枚の紙。

“どうしていますか?”

小さく丁寧に書かれたたった一行だけの文章。
きっとこれはエアメール。
僕はこれだけを頼りに旅をしているの?


もしかするとこれは僕の過去?
昔の僕が愛した誰かを今の僕は探している。
そう考えると更に先を目指そうと思った。

名前も知らない、エアメールの差出人。

どこからか聞こえてくる祈りをささげる歌に委ねて
差出人に巡り合う明日を願う。

暗闇を照らす星屑のヴェール。
“神秘の空”

先の見えない此処は、鯉の迷路。
出口へ出口へと僕を導く誰か。
胸騒ぎは少しずつ、少しずつ・・・
一秒毎に高鳴っていく。

恋の不思議、感じている。




最初の夢、永遠に・・・。




蜃気楼揺れる、彼方をひたすら目指す。

熱い。
微熱はもう、微熱じゃなくなって僕を苦しめる。
にじみ出る脂汗。
心が震える。

もう、歩けない。

砂に埋まっていく自分の身体。
金色の風。
星屑のヴェール。
彼方へ続く蜃気楼。
遥か昔の自分が探した誰か。

見つけること、出来なかった。


“恋の深い眠り呼び覚ます”


ぬるくなったアイスノン。
汗でぬれたシーツ。
ぼんやりと見える人影。

「屑桐くん・・・?」

ああ、僕が探していたのは君か。
何を、見ていたんだっけ?



最後の夢追いかけて。






【あとがき】

thousand nightsですね。
まんまです。
コレは是非歌を聴くべきです。
ミステリアスな雰囲気が出せません〜〜!!

久しぶりの更新がコレですみません。






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