青い空。
ふわふわと浮かぶ白い雲。
昼の校舎の東側は陰になっていて涼しい。
風も通っている。



グラウンドが見渡せるこの場所は、人気も無く
ただただ、時間ばかりが過ぎていく。
隣に座っている金髪王子は気持ちよさそうに目
を閉じている。
つられて自分も目を閉じる。
感じる風の匂い。


風の中に甘酸っぱい柑橘系の香りがした。
と思ったら、甘い花の香りに変わる。


どうやらこの綺麗な黄金色の髪から香っている
らしい。
ちゅっとその髪に口付けると、大きな翡翠の瞳が
開かれる。
長い睫を上下に動かしパチパチさせている。

「何かした?」

唇を上につり上げ
次はピンク色の唇に口付ける。
多分俺の唇はかさ付いていて、牛尾の唇をも傷つ
けてしまうのだろう。
なんて考えてしまう。

そんなこと、有り得ないのに。

触れるだけで解放してやる。

「何も無い。」
「屑桐君らしくない。変なの。」
くすっと笑ってまた瞳は閉ざされてしまう。
ムスクの香りが鼻を擽る。


「何かつけてるのか?」


香りの正体を知りたかった。
何?と首を傾げる牛尾に言葉を続ける。

「いつものお前の香りとは違うだろう?」
上を向き、青い空に瞳を向け優しく微笑んでいる牛尾
の瞳は青く澄んで見える。
「香水。」


「香水を付けてみたんだ。似合わないかな?」

笑みをこちらに向ける。
その顔はとても儚く悲しげに見えた。

「いや、良い。」
お世辞なんかじゃない。



恥ずかしかったから思わず上を向いた。
きっと牛尾から見た俺の瞳は、紫色に見えるのだろう。





「今度は君の香水を選ぼうね。」



【あとがき】

勝手な妄想なんですが御門たんがつけている香水は
パラボルラブジアイランドだと思います。
お・と・なな香り?(死)









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