雨上がりの夕方。
先程まで黒い大きな雲に覆われていた空は
夕日で赤く染まっていた。

牛尾は一人で歩いて帰る。
車は呼ばなかった。
ただ、一人で帰りたかった。


さくさくと落ち葉を踏んで歩く。
茶色、黄色の落ち葉の中。目に付いた緑。

―――クローバー?

見渡す限り、なんて凄いものじゃないけれど
沢山のクローバー。
足を止め、足元のそれらを見る。
優しく触れると、雨のしっとりとした感覚。
そして、生きている元気な葉。

目を凝らすとひとつだけ葉が四枚あるクローバー。
四つ葉。
なんだか嬉しくて、それを摘んだ。



「牛尾?」

聞き覚えのある声。
我慢できなくて思いっきり振り向いた。
「ぅわっ!」

勢いあまって彼の肩にぶつかってしまった。
ぽん、と肩に置かれる暖かい手。

「ごめん。」
「ん。」
「屑桐、今日は部活は?」
「さっきの雨でグラウンドが使えん。」

なんだ。自分と同じ理由か。
ラッキー、なんて思う自分がいる。

ふと手に持っていたクローバーを見て企む。




「ねぇ、クローバーに願い事を言うと叶うんだって。
知ってる?」



は?と怪訝そうな顔をする屑桐。

「あのね、クローバーを持って、キスすると・・
願い事が叶うんだって。」

適当に思いついたことを言ってみる。
彼は一体どうするのだろう?
内心どきまぎしながら、彼を見つめた。


屑桐の手が手袋の上に触れる。
そして、ちゅっと短いキス。

「これで、いいのか?」
「――――ッ!」

自分で言っておきながら、くらっとくる。
まさか屑桐がするなんて思わなかった。
やっぱり彼には勝てない。


屑桐の思いが分かった今、クローバーの力
なんてなくても
僕等の愛は永遠になる、気がした。




【あとがき】

気がしたんかい。(素)
しかも御門たんは嘘ついてるし!!

クローバーってどうやってお願い事すればいいんだ?
前からの謎。
誰か教えて!!!










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