「お疲れ様。」
「ん。」

部活上がり。
二人で部室へと戻り、いつもの様に着替える。
遅刻しそうになってそのまま鞄に放り込んだカッター
シャツはしわが付いてくしゃくしゃになっている。

「あーあ、屑桐君のクラスの授業が長すぎるから部活に
遅刻しそうになったんだよー。」
「すまん。」
「おかげでシャツがくしゃくしゃ!」
「悪かったな。」


くすくすと笑う牛尾を見て屑桐も笑う。


履き替えたズボンのポケットに手を入れると、何かが
入っているのを感じた。
「そうだ。遅刻しそうになった詫びだ。口をあけろ。」
「はっ?何するの!!?」
「早く。」

あー、と口をあける牛尾の阿呆面を密かに笑いつつ
ポケットに入っていたものの包みを開け、口へ放る。



「あまーい」



「甘い、甘い、美味しいー!!」
「はっ、そんなので喜ぶとはやはりガキだな。」
「ガキじゃない。」
むーっと思いっきり頬を膨らませて睨んでくる。
ほら、やっぱりガキじゃないか。


手がべとべとしている。
空になった包みを見てみると、溶けた後があった。

「溶けたのを食わせて悪かったな。」
「何で?」
「生ぬるくてまずかっただろう。」





「君の体温で溶けたから美味しいんだよ。」



変な奴。




【あとがき】
溶けました。
多分体温で溶けたんじゃなく室温だと思われ。
牛尾たんは馬鹿です。
天然です。








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