可愛い君が好きなもの。
「ねぇ、ちょっと弾くから聞いててね。
あとで感想聞かせて。」
指先が鍵盤の上で弾んでいる。
右足はせわしなくペダルを踏んでいる。
流れてくる美しいメロディ。
ちょっと老いぼれているピアノ。
右手と左手が違う動きをするなんて器用だな。
なんて思いつつ動き続ける指を見つめる屑桐。

どこかで聞いたことのあるような懐かしいメロディに
耳を傾ける。
恋愛映画?アニメ映画?
大人の恋愛のような。
そして豚。

豚。そうだ、紅の豚だ。
なんて考えているうちに牛尾の指が止まった。

「どうだった?」
ニコニコと屑桐を見つめる。
期待に満ち溢れた瞳のようにも見える。
「ん、なんていうか、豚?」
「なんだい、それ。」
ぶー。と頬をふくらませる牛尾にあきれたフリをして
みせる。


「実はね、弾き語りも出来るんだ。」
ぱらりと別の楽譜を取り出しめくる。
君も、歌えたら歌って。
なんて無理なことを言ってくれる。

いいだろう。一回聞いて覚えてやろうではないか。

と思い、思いっきり耳を済ませる。


So let me come to you
Close as I want to be
Close enough for me
To feel your heart beating fast
And stay there as I whisper
How I loved your peaceful eyes on me
Did you ever know
That I had mine on you

Darling, so there with me
Your love if you have inough
Your teals if you're holding back
Or pain if that's what it is
How can I let you know
I'm more than the dress and the voice
Just reach me out then
You will know that you're not dreaming


「・・・どこの歌だ?」
「ん?ゲームの・・・」
「ファイナルファンタジー[か?」
「それそれ」
にぃ〜と笑顔を見せる。
白い歯をとても憎らしく思った。


「君のために覚えたんだ。」
「?」
「君に伝えたい僕の気持ちに似ていたから。」
静かに牛尾の手が屑桐の服の裾を握った。

「日本語じゃないとわからん。」
「だからいいんだよ。」

また白い歯が覗く。
「知りたいとは思わんがな。」
「てか、自分で調べれば〜」
ふふんと鼻を鳴らす牛尾に少し腹が立った。


些細なことが気に食わなくて
些細なことでドキッとする。

まだまだお子ちゃまなふたり。


“貴方のところへ行かせて。
 好きなだけ、うんと近付くの。高鳴る鼓動を感じるほどに。
 そのまま私の話を聞いて。
 穏やかな瞳に見つめられ、どれだけ嬉しかったか
 貴方は知っていたかしら?
 私もそうしていたことを。
 ねぇ、私に分けてよ。
 余るほど愛があるなら、涙をこらえているなら
 苦悩ならそれでもいい。
 どうしたら分ってもらえるかしら。
 私は服と声ばかりじゃない。
 此方に手を伸ばしてくれたら
 夢じゃないって貴方にも判るのに。”

 



【あとがき】

とりあえずこの中に三つ出てくる歌の説明から・・・(ぇ)
『スパイダー』スピッツ
可愛い君が好きなもの〜ちょっと老いぼれてるピアノ♪
ってやつです。
本当は『黄金色の坂道で加速したら二度と戻れないから』
のところを書きたかったんですが。
また今度にしますw

『マルコとジーナのテーマ』
一回でいいからピアノで弾いてみたいですねぇ。
楽譜欲しいー!
帰らざる日々も弾きたい!
聞くだけで感動ものです。検索する価値あります。

『eyes on me』
最後に訳を入れてみましたw
屑牛テーマソングだと思いませんか!!?
ぼろぼろ泣けます。
英語で歌える唯一の歌です。







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