肉、魚、野菜、お菓子、レトルト食品。
そこには沢山の物がごった返す。
そしてそれに沢山の人が群がる。
そう。主婦の戦場、スーパーマーケット。



その中に屑桐と牛尾もいた。

「わ!迷子になりそうだよ!!」
「ふん、坊ちゃんはスーパーも駄目か。」
そう言いながら手を引っ張ってやる。
きっとコイツから目を放していたら絶対に迷子になる。

今日は此処に屑桐家の夕飯の買出しにやってきた。
屑桐一家は和食が主になるのでそれを頭に入れて
食材を選ばなければならない。
そしてお買い得の品をぽいぽいと籠に入れていく。
塩さば、大根、キャベツ、炒り子など身体によさそうな
ものばかりだ。
明日のためにさんまも入れておく。
毎日買出しはちょっと負担になる。
勿論、妹や弟のためのキャンディも忘れない。
どれにしようか迷っていると
「わー、コンビニより安いんだぁ〜へぇ〜」
他のところと値段を比較して一人で驚いている牛尾に
つい微笑んでしまう。
でも甘やかしてはならない。

「余計なものは買わないからな。」

むぅ。と頬を膨らます仕草をしてみせる牛尾。
本当に何歳かわからない。
「いいもん。後でお金払うから!ね、いいでしょ?」
そういう牛尾の顔はキラキラと輝いていた。
あぁ!その顔で俺を見るな!!
「しゃーねぇなぁ!」
照れ隠しに頭をかきながら牛尾を見ると、屑桐の気持ち
なんか全然気付かずに食料品が並ぶ棚を嬉しそうに眺
めていた。





何にしようか迷っている牛尾についていくと
かまぼこや豆腐が並ぶ加工品コーナーにたどり着いた。

「あー、凄いなァ!これぞ和って感じかい!?」
「・・・・」
頭を抱えたい衝動に襲われる。本当に何も知らんのか。
「これにする!」
そういって差し出された牛尾の手を見てみると
“納豆”
「はぁ!?お前ッ食えるのか?」
確かねばねばしたものは嫌いなはず。
正気か?
「ん?僕は食べないよ。君へのプレゼント。」
その納豆と納豆代100円を手渡される。
はぁ・・・・とため息をつく。
そんなことお構いなしにニコニコとしている牛尾に何も言え
ず、料金と納豆を受け取る。
そして、その納豆の名前を見て更にため息をついた。



“劇画風の納豆”


と記してあり、劇画調の絵で藁に包まれた納豆が描かれて
いるのであった。




【あとがき】

あぁ、楽しかった。
スーパーにも行ったことが無い御門たん。
もうハアハアもんですな!!
俺の中の屑桐くんはダンディズムなはずなのに!!
何かが違う!!











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