甘い甘い柔らかいケーキ。
隣にはバニラアイス、生クリームを添えて。
ふんわりとした見かけ、可愛さ・上品さを兼ね備えた
人気のスウィーツである。




を、牛尾が作るという。
初めて渡されたケーキは苺のショートだった。
見た目はとても綺麗だった。

見た目と違って味はしょっぱかった。
それから、牛尾がいつケーキを作ってくるかいつも冷や
冷やしていた。
そして今日、ついにその日がやってきてしまった。



「屑桐、今日は暇かい?」
「あぁ。」
「あのね、シフォンケーキを作ったから家に来ない?」
照れたような可愛らしい笑みで言うので断れなかった。


そして今、牛尾の部屋でケーキを待っている状態なのだ。
きっと今、ケーキを焼いているのであろう。
俺のために紅茶を淹れてくれた。
あまり紅茶には詳しくないが多分これはダージリンだ。
俺が紅茶を好まないのを知っていてノーマルなものにして
くれたのだろう。
砂糖を入れたりするなんて邪道だ!
なんていう牛尾の考え方によって砂糖(シロップ)やミルク
も用意されていない。
シンプルに香りを楽しむ紅茶。
味があった方が良いなんていったら牛尾は怒るだろうか。



そして、ついにヤツが出てくる。


スポンジのようなヤツにバニラアイスとクリームが添えられ
、可愛らしくミントの葉が乗っている。
本当に出来たばかりらしくアイスがとけかかっている。

「食べてネ。」

ニコニコと俺の様子を伺っている。
フォークでケーキを切る。そしてアイスをつけて口へ運ぶ。
神様、いるなら俺を守ってくれ。

「美味しい?」
「・・・・・美味しい。」

見た目どおりの美味しさにびっくりする。
あっという間に俺の皿からケーキが消えた。

「良かった!」

本当に嬉しそうな牛尾の笑顔に少し戸惑う。
照れ隠しに片づけを手伝うといってキッチンに行く。

「わ!!キッチンは駄目ーッ!!!!」
皿を片付けようとキッチンの上には・・・・
沢山のシフォンケーキの残骸。

「ごめん、なかなか巧く出来なくて・・・」
しゅん、と頭を項垂れる牛尾に愛おしさがこみ上げてくる。
俺のために?

嬉しくなって牛尾を抱きしめた。
「有難う。」
牛尾もぎゅっと抱き返してくる。
「うん。次からはもっと頑張るから。」
「次は俺が作ってやる。」
そうだ、俺が作れば材料の無駄も消えるだろう。
しょっぱいケーキの悲劇もなくなるだろう。
きっと。



【あとがき】

何これ?
御門たんは料理が上手なはずなのにー!!!
な屑牛。
駄目か?駄目か!!!

御門たん、ごめんねん。
とりあえず屑桐君にとっては降臨するシフォンケーキです。










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